先日12月21、22日に京都府立文化芸術会館にて開催した加藤みや子ダンススペース2023「笑う土」公演、おかげさまで幕が下りました。主宰加藤みや子より御礼のご挨拶を掲載いたします。ご一読いただけましたら幸いです。

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「笑う土」京都・特別公演 3ステージ無事終焉しました。
遠方よりお出かけくださった方、初めて見てくださった地元の方々の熱い応援に感謝。
京都では「大反響よ、来てくれてありがとう」の在京の友人、「観たことのないチャレンジ、コラボレーションのあり方だ!!」の在京プロデューサーのありがたい声に、岩手県安家からブラジル、東京、諏訪そして京都とここまで続けてきた道のりを思った。伏見稲荷の猛々しい狐と共に続く鳥居の赤、鞍馬山の深い黒は表現できただろうか。
それぞれの「笑う土」への想いがあり、参加者全員で創りあげた舞台だった。小屋入り後も意見が飛び交い、演出としては目紛しい想いだったが、その分濃く厚い舞台となった。
新参加の伊藤キムさんは人間味ある天狗役にぴったりだった。市原昭仁さん、アオキ裕キさんの名場面鷹と木樵は深みが増して冴えたダンスとなり、他ゲストも加藤みや子ダンススペースのダンサーもクリエイティブな参加だった。笑う土作品遍歴の中、木原浩太、立花あさみ、細川麻実子など、カンパニーメンバーの成熟度が嬉しかった。
プロジェクト立上げからコラボレーション参加の三輪美奈子さんの揺るぎない世界の美術、加藤訓子さんの底から引っ張ってくれる響きとリズムを根底に力をもらい、伝承芸能さえ超えてくる壬生六斎念仏の原田一樹さんと子ども六斎座の参加があって京都の風流と出会った。
ベルリンからは久しぶりのカンパニー公演参加の畦地亜耶加が女狐役として好演、その夫君中原一樹が木の実や枝を使用した版画による古代文字で鞍馬天狗を描いて初参加。
そして支えてくれた制作サイドのご苦労なしには成立しなかった。
またアートキャラバン事業の企画があったからこそ成し得たことに感謝したい。
懐かしさだけでなく不条理な生の中、祈り遊び踊り続ける人の必然、「笑う土」が念仏踊り、京都と繋がった。舞台をつなぐ我々の生でもある。
石井達朗氏が寄せてくださった言葉 『コロナ禍から3年ぶりに抜け出た今年の締め括りに、これほどふさわしいことはない。混迷と緊張を極めるこの時代、フォークロア的な想像力こそ必要とされるのだ。それは自分の足元を見つめ、遠くの他者を想うことである。』 を今噛み締めたい。

2023年12月27日
加藤みや子ダンススペース
加藤みや子

記録写真/池上直哉

[キャスト]
演出・構成・振付:加藤みや子
音楽(構成・作曲):加藤訓子
美術:三輪美奈子
出演:加藤みや子 加藤訓子
伊藤キム 市原昭仁 アオキ裕キ 畦地亜耶加 木原浩太
長谷川暢 村山雅史 大前裕太郎 西名糸江 立花あさみ 村山正子 細川麻実子 寺杣彩 横田恵
江藤裕里亜 上村有紀 髙宮梢 杉山佳乃子 中村泉輝 鈴木梨音 浦島優奈 高桑奈津希
原田一樹(壬生六斎念仏講中副会長) 子ども六斎座

[スタッフ]
舞台監督・照明デザイン:串本和也(株式会社 流) 
照明操作:葭田野浩介 (株式会社 流) 
音響デザイン・操作:長谷川政行(株式会社ソルサウンドサービス)・青木タクヘイ

演出助手:畦地真奈加
照明原案:斎藤香 
ダンスミストレス:立花あさみ 細川麻実子 木原浩太
映像:naoeikka 
書:石川美津子
ドローイング:中原一樹
衣装:武田晴子 木原夕子
宣伝美術:江尻ひかる
記録写真:池上直哉 小杉朋子
制作:LOTUS、加藤みや子ダンススペース、株式会社アンクリエイティブ
広報協力:中山佐代
協力:長尾協子、田路紅瑠美、竹内響、岸田真奈

主催:加藤みや子ダンススペース
統括団体:一般社団法人現代舞踊協会
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(統括団体による文化芸術需要回復・地域活性化事業(アートキャラバン2))独立行政法人日本芸術文化振興会